【後編】ターゲット選定で成功に導く店舗開業!マーケティングのプロが徹底解説します!
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飲食店などの店舗を開業する際、成功するために重要なターゲット戦略について、先日公開した前編では、ニーズだけではなく「インサイト」を明確にする重要性や、「提供価値の言語化」についてご紹介しました。
後編ではさらに具体的なプロセスに踏み込んで、繁盛店の第一歩となるターゲットの決定に役立つ内容をご紹介していきます。
どんな欲求を、どのように満たすのか!これが決まればターゲット選定まであと少し!
前編でご紹介したインサイト(言語化できない、してくれない欲求)の特定と、それに対しどのような魅せ方でアプローチしていくか、という「提供価値の言語化」が決まれば、あなたのお店のターゲット戦略の完成まであとわずかです。ここからは5つのポイントの後半3つをご紹介していきます。
ターゲット戦略で成功に導く5つのポイントのおさらい
ターゲットを選定する上で重要なポイントを5つご紹介しました。
一見「そんなことわかっている」と思ってしまうこともあると思います。ですが以下のようなプロセスを丁寧に踏んでいくことで、元々想定していたターゲットや戦略から変わることも往々にして発生します。まずは騙されたつもりで丁寧に進めてみることをおすすめします。
▼ターゲット戦略の5つのポイント
・ニーズだけではダメ。「インサイト」を明確にしよう(前編)
・ターゲットに届く!「提供価値」を言語化しよう(前編)
・お客様はどんな属性?「デモグラフィック」を定義しよう(本編)
・幸せにしたいのは誰?「ペルソナ」を設計しよう(本編)
・行動あるのみ!具体的な「アクションプラン」を洗い出そう (本編)
上記の流れは、飛ばさずに順を追って1つ1つ考え設計していくことがとても重要です。
では早速、後半3つのポイントの考え方のコツや押さえておくべき点などをわかりやすく解説していきましょう。
③お客様はどんな属性?「デモグラフィック」を定義しよう
前項までで設計したインサイトと提供価値ですが、ではこれは一体どんな属性に向けて作られたものなのでしょうか。
デモグラフィックとはまさにその「属性」を可視化したものとなります。
お店の戦略やデザイン、立地やコンセプトなどの大枠の方針を決めるにはこのデモグラフィック属性を定義することがとても重要となります。
代表的な項目としては以下のようなものが挙げられます。
・年齢
・性別
・居住地
・家族構成
・職業
・年収
このくらいのいわゆる人口統計学的な項目を設定しておくことでお店の「デザイン」や「立地」「コンセプト」に一貫性を持たせることが可能です。
・満たしたい欲求を抱えているのはどのようなデモグラフィック属性か
・どんなデモグラフィック属性に価値を届けたいのか
また、このデモグラフィック属性の設定の方法についてはいくつかやり方がありますが、重要なのはそんな小難しい分析や調査などをする必要は必ずしもない、ということです。
ここで重要なのは如何に幸せにしたい・価値を届けたい人たちが誰なのか、ということを「妄想」することです。
妄想は、書いて字の如く「想い」になります。想いが乗る、ということがとても大切で、分析や調査というのはその妄想が正しいのか否か、を確認する程度で問題ないということです。
すごくありきたりな、そして一見幼稚な内容に感じられる方もいらっしゃる方も多いと思います。でもこの「妄想」というプロセスが今後の店舗経営にとても重要になってきます。
④幸せにしたいのは誰?「ペルソナ」を設計しよう
デモグラフィック属性の次は「ペルソナ」です。
さてペルソナとはなんでしょうか。
端的にいうと『幸せにしたい特定の「その人」』を指します。
以下の画像はとある飲食店の開業プロジェクトで使用しているペルソナ設計シートです。
本当に具体的な「その人」に踏み込んで設計しています。
前項で述べたデモグラフィック属性では大枠のイメージや方向性を設定し、そこからさらに詳細の店舗の設計、メニューの設定や価格設計にはこの、さらに踏み込んだ「その人に喜んでもらうため」の「その人」の解像度を上げる必要があります。
そして、開業に関わるメンバー全員が
『このペルソナに幸せになってもらうためにはどうするべきか』
という同じ「その人」を想像して議論し、推進していくことがとても重要です。
そしてペルソナを設定して、進めていく店舗作りにはブレない一貫性が表現されてきます。
要は、ターゲットに対して芯の通ったお店になっていくということです。
逆にペルソナが設定されないままに議論やお店が作られていくと、少しのチグハグが生まれたり、一貫性のないデザインになったりと「居心地のよくない」「普通」のお店になってしまいます。
ではそのペルソナはどのように設計すべきか、です。
ペルソナ設計において重要なのは2点。
1.デモグラフィックな属性項目だけではなく「性格」や「生い立ち」にまで踏み込んで設計すること
2.その人の自身のお店に関わる「お困りごと」「趣向」に踏み込んで設計すること
がとても重要となります。
・どんな性格だから、私のお店を選んでくれるのか
・どんな課題を普段から解決したい!と思っているのか
・苦手な雰囲気や、得意な雰囲気はなにか
など、設計すべき項目はお店や業態ごとによって異なります。
「その人」を「幸せにすることができるのか」という観点で丁寧にペルソナを設計してみましょう!
⑤行動あるのみ!具体的な「アクションプラン」を洗い出そう
さぁ、ここまできたらあとは「何をすべきか」を洗い出すのみです!
もう一歩、がんばりましょう!
ここまで決めてきたものをおさらいしてみましょう。
①言語化しない・してくれない欲求「インサイト」を明確に!
②ターゲットに届く「提供価値」を言語化!
③大枠の方針を決める「デモグラフィック属性」を定義!
④幸せにしたいのはその人を共通化する「ペルソナ」を設計!
そうです。ここまできたらあとはこのペルソナ(その人)に対して、「幸せになってもらう」「価値を届けるためには何をすべきか」を洗い出していきます。
洗い出す要素はお店や業態、その時々のフェーズによって異なってきますが
・どこにお店を出店すべきか
・価格帯はどのくらいか
・集客・マーケティングはどのようにすべきか
・お店の名前や雰囲気はどうすべきか
などが挙げられるかと思います。
そしてアクションプランを洗い出す時にとても重要なポイントがここでも2点あります。
1.とにかくたくさんのアイディアを搾り出そう
2.絞り込む時は「インパクト」×「実現容易性」の2軸で決めよう
まずは、アイディア出しです。
とにかくたくさん洗い出す、そしてできるだけいろんな観点で洗い出すために、設定したペルソナをもとにプロジェクトに関わる全員で意見出しを行うことが望ましいです。
こういった意見出しのことをブレインストーミング(ブレスト)なんて言ったりもします。
このブレストでは、相手の意見を否定せずに意見を出しやすい空気で無邪気にアイディアを出し切ることを意識してみましょう。
そして、次は出たアイディアを絞り込むプロセスです。
無邪気に出たアイディアには到底実現できないものや、想像ができないものなども含まれます。「今の資金では実現できない」などが典型的な例かと思います。
ではどのように絞り込んでいくのか。
・実現した時の「インパクト」が大きいもの
・「容易」に実現できるもの
この2点の掛け合わせによって優先順位を決めていきましょう。
このように整理して決めたものの中から
・誰が
・いつまでに
・何をするのか
を決めればあとは実行あるのみ!です。
ターゲット選定のまとめ
限られた資源や人員の中で如何に繁盛を実現するための事前の設計を効率的に行うか、これがとても重要になります。
そして、このプロセスを丁寧に且つ、関わる全員で行うことで思い入れの強い芯の通ったお店が出来上がります。今一度、くどいようですが振り返りです。
①ニーズだけではダメ。「インサイト」を明確にしよう(前編)
②ターゲットに届く!「提供価値」を言語化しよう(前編)
③お客様はどんな属性?「デモグラフィック」を定義しよう(本編)
④幸せにしたいのは誰?「ペルソナ」を設計しよう(本編)
⑤行動あるのみ!具体的な「アクションプラン」を洗い出そう(本編)
当社にはマーケティングや事業開発のプロフェッショナルが揃っており、ご提供しているサービスではこのようなプロセスをお客様とご一緒しながら丁寧に伴走しております。
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この記事が皆様のお役に立てば幸いです。